働きアリの法則 パレートの法則(80対20の法則)
■ 働きアリの法則とは?
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- 働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
- 働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
- よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
- よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
- よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
- サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。
上位2割の働きアリだけが無駄に頑張っているように見えますが、これらの集団コロニーを形成するためにも以下のような説があるようです。
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北海道大学の長谷川英祐が進化生物学の見地から詳しく研究し、一般向けの解説書を出している。それによると、働くアリと働かないアリの差は「腰の重さ」、専門的に言うと「反応閾値」によるという。アリの前に仕事が現れた時、まず最も閾値の低い(腰の軽い)アリが働き始め、次の仕事が現れた時には次に閾値の低いアリが働く、と言う形で、仕事の分担がなされている。仕事が増えたり、最初から働いていたアリが疲れて休むなどして仕事が回ってくると、それまで仕事をしていなかった反応閾値の高い(腰の重い)アリが代わりに働きだす。
「疲労」というものが存在する以上、一見サボっているように見えるアリの存在が、コロニーの存続に大きな役割を果たしている。仮に全てアリが同じ反応閾値だと、すべてのアリが同時に働き始め、短期的には仕事の能率が上がるが、結果として全てのアリが同時に疲れて休むため、長期的には仕事が滞ってコロニーが存続できなくなることがコンピュータシミュレーションの結果から確認されている。閾値によっては一生ほとんど働かない結果となるアリもいるが、そのようなアリがいる一見非効率なシステムがコロニーの存続には必要だという。
会社などでも高いパフォーマンスの社員、低いパフォーマンスの社員、様々な人がいますが、社会というコロニーを形成する中で様々な能力やスキルを持った社会が新しい発想や危機への対処に結びついているかもしれませんね。
■ パレート法則とは?
組織全体の2割程の要人が大部分の利益をもたらしており、そしてその2割の要人が間引かれると、残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになるというものである。経済以外にも自然現象や社会現象など、さまざまな事例に当て嵌められることが多い。「80対20の法則」「ばらつきの法則」などと呼ばれる場合もあります。
具体的には、
- ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
- 商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
- 売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
- 仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
- 故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
- 住民税の8割は、全住民のうち2割の富裕層が担っている。
- プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
- 全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。
といった事例に例えられる法則です。
上位20%だけを寄せ集めたスーパー集団を作っても
「働きアリの法則」は発動する
アリの集団の中、怠け者のアリを集団から排除してみると、怠け者不在で全員がせっせと働くものかと思いきや、しばらくすると、残ったアリのやはり2割程度がさぼり始めると言われています。
逆に、文字通り働いている上位2割の働きアリだけをかき集めて、1つのスーパー集団を作ってみます。それこそ、すごい勢いで仕事をしそうなものですが、やはり時間とともに2-6-2が形成され、一部が怠け者に変身するそうです。
これらより働きアリの法則が必ず成り立つことを前提とした、
一般的に言われる対処法や改善法
- どんな立派な組織・集団でも「下位」が存在することを自覚。
- 安易に「下位」を切り捨てると「上位」が「上位」でいられなくなるリスクも自覚。
- その上で「中位」「下位」を有効活用する方法を熟考。
当たり前のことかもしれませんが、モノは考えようです。「働きアリの法則」が絶対不可避なものであるとすれば、「下位」も「上位」も、その集団において、それぞれの役割を天から与えられているだけと見て取ることもできます。
組織の中でもヒトはそれぞれの役割を担っているもの。一側面から評価するのではなく様々な観点からその人のパフォーマンスを考えることも重要かもしれませんね。